算数の文章題のあれこれ

基本的な算数の考え方を紹介しています。 中学受験だけでなく、公務員試験やSPI対策などにも役に立つ内容です。

2014年08月

流水算【比の利用】

【問】
 ある船が川を上るのに3時間かかり、下るのに2時間かかります。
 川の流れの速さが時速2kmの時、川の長さは何kmですか。

【解】
 時間だけしか分からないときは、比の利用を考えます。

 速さの比は時間の比の逆比なので
 上りの速さ:下りの速さ=2:3

 流れの速さの比は
  (3-2)÷2=0.5
 この0.5は、実際には時速2kmなので
  2÷0.5=4km ←比の1あたりの時速。この数を比にかければ、もとの数になるということ。
 
 これより上りの速さは
  2×4=8  ←下りの速さは、3×4=12km
 よって川の長さは
  8×3=24km

 
  

流水算【川の流れの速さ】

【問】
 上流から下流まで15kmある川を船で往復します。
 上りには5時間かかり、下りには3時間かかりました。
 流れの速さが一定であるとき、この時の川の流れの速さは
 時速何kmですか。

【解】
 流れの速さを求めたいので
 (下りの速さ-上りの速さ)÷2

 上りの速さ:15÷5=3
 下りの速さ:15÷3=5

 よって川の流れの速さは
  (5-3)÷2 =1
  時速1kmとなる。

  ちなみに静水時の速さは
  (3+5)÷2=4
  時速4kmとなる。 

流水算【プロローグ】

船で川を上ったり、下ったりするとき
船の速度は川の流れによって影響を受けます。

この川の流れをふまえて
速度を考える問題を流水算といいます。

速さが何らかの要因によって影響を受ける問題は
流水算の考え方を利用します。

川の流れのほかに
エスカレーターを上り下りする問題もよく目にします。

流水算の基本は、速さを足し算引き算するだけ。
 
【例】
川の流れの速さが時速2kmの川を、時速20kmで走る船が上るときの
船の速さは?

上るときは当然川の流れに逆らうので、速度は川の流れの分だけ遅くなります。 
 20-2=18km

下るときの速さは川の流れの分だけ早くなるので
 20+2=22km

つまり、川の流れの速さを足し算引き算するだけ。

ちなみに、船の速さのことを静水時の速さと呼びます。(ここでは時速20kmが静水時の速さ)

まとめです
 上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さ
 下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ

これより
 静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
 流れの速さ=(下りの速さ-上りの速さ)÷2

 
静水時の速さと流れの速さの求め方が
よく使われる考え方なので
しっかりと理解しておく必要があります。 

仕事算【利用時間】

【問】
 5人で電車に乗って旅行に出かけました。
 目的地まで1時間30分かかりますが、座席が3つしか空いていなかったため
 交代しながら座ることにしました。
 全員が同じ時間だけ座るとすると、目的につくまでに
 1人が座っていた時間は何分ですか。

【解】
 
 まず1つの座席に座れる時間を考えます。  
 電車に乗っている時間が、座れる時間なので
  1時間30分=90分

 座席は全部で3つあるので
  90×3=270分

 つまり5人が座席を利用できる時間は
 270分ということになります。

 全員が同じ時間座るので
  270÷5=54(分)  ←平均を求めているだけ

電車の座席だけでなく、テニスコートの利用時間などでも
同じ考え方で解くことができます。

仕事算【比の利用③】

【問】
 Aが1人ですると12日、Bが1人ですると8日、Cが1人ですると15日かかる仕事があります。
 この仕事を3人ですると何日かかりますか。

【解】
 働く人数が増えても考え方は同じ。
 まずは個人の仕事量を求める。

 A:B:C=1/12:1/8:1/15=10:15:8   ←通分して分子の比をとる
                 
 全体の仕事量は
  10×12=120

よって
 120÷(10+15+8)=3.636・・・・・

 よってこの仕事を終えるのには
 4日かかる。       
 
 割り切れない場合は、小数点以下を切り上げる。
 計算ミスをしていないか確認する必要もあるが
 きれいに割りきれずに、1日分を足さなければならないといのは
 仕事算の問題ではよく見る形。
 



 

仕事算【比の利用②】

【問】
 Aが1人ですると10日かかり、AとBが2人ですると8日かかる仕事があります。

①この仕事をB1人ですると何日かかりますか。
②この仕事をA1人で始め、途中からBと交代したところ、Aが仕事を始めてから
 13日で終わりました。Aが何日働きましたか。

【解】

まずは個人の仕事量と全体の仕事量を求める。

 A:A+B=1/10:1/8=4:5 

これより全体の仕事量は
 4×10=40

Bの仕事量は引き算で求める。
 5-4=1   ←(A+B)-A

よって
 40÷1=40(日)  ←日数=全体の仕事量÷1日の仕事量


 Aが13日間仕事をした場合、全体の仕事量は
 4×13=52
 
 実際に全体の仕事量は40しかないので
 52-40=12

 12だけ余分に仕事をしていることになる。
 つまりこの12の分Bが働いたということなので
 12÷(4-1)=4  ←AとBの労働量の差で割れば、Bの働いた日数が求められる。

 よってBが2日働いたということなので、Aの働いた日数は
 13-4=9(日)
 


 

仕事算【比の利用①】

【問】
 Aが1人ですると10日、Bが1人ですると15日かかる仕事があります。
 この仕事をAとBの2人ですると何日かかりますか。

【解】
 多くの仕事算は、個人(機械)の仕事量を求めることから始める。

AとBの1日の仕事量の比は

 1/10:1/15=3:2  ←全体の仕事量を仮に1として考える。全体の仕事量÷日数で1日の仕事量を求める。 

次に全体の仕事量を求める。
 全体の仕事量=1日の仕事量×日数(時間)

これより
 3×10=30  ←Bの仕事量を使い、2×15でもよい。AとBのどちらを使っても答えは同じになる。

つまり30の仕事をAとBでするということなので
 30÷(3+2)=6日    ←日数=全体の仕事量÷1日の仕事量


 仕事算は1日の仕事量と全体の仕事量を求めることで
 解放の糸口がつかめるはずです。
 

仕事算【プロローグ】

 1時間当たりの仕事量=全体の仕事量÷仕事にかかる時間
 (全体の仕事量=1時間当たりの仕事量×仕事にかかる時間)
 (仕事にかかる時間=全体の仕事量÷1時間当たりの仕事量)

参考書に公式っぽく紹介されているものです。

仕事算の基本問題から

【例】
 ダンボール500個を1分間に10個ずつ片づけると
 何分で全て片づけられるか?

これが仕事算の基本で全て。

 500÷10=50(分)  ←全体の仕事量÷1時間当たりの仕事量

これが理解できれば応用されても対応できます。

では少し応用

【例】 
 1分間に10個ずつ片づける機械があります。
 2時間では何個片づけられますか

これで応用レベル。
 2時間=120分
なので
 10×120=1200個  ←1時間当たりの仕事量×仕事にかかる時間

仕事算は、全体の仕事量1時間当たりの仕事量を整理すること
解法の糸口になります。
 

売買損益【利益から仕入れ値】

【問】
ある品物の仕入れ値に3割の利益を見込んで定価をつけました。
夕方になっても売れないので2割引きで売ったところ
利益は40円になりました。
この品物の仕入れ値と定価はいくらですか。

【解】
仕入れ値の3割の利益を見込む⇔1.3倍する ←1+0.3
2割引きで売る⇔0.8倍する  ←1-0.2
つまり仕入れ値を1.3倍し、さらに0.8倍して売ったということ。

仕入れ値を1とすると定価は  ←割合の考え方。もとの数は1として考える。
 1×1.3×0.8=1.04
つまり0.04の分が利益ということになる。

0.04が40円にあたるので仕入れ値は
 40÷0.04=1000円

定価は
 1000×1.3=1300円

人の前を通り過ぎる【通過算】

【問】
長さ200mの列車が駅に立っている人の前を通過するのに
20秒かかりました。
この列車の速さは時速何kmですか。

【解】
通過算の基本は
通過しているものの長さが道のりということ。
人のように幅の無いものを通過する問題では、
列車の長さを通過しているものの長さと考えます。

よって速さは
 200÷20=10 ←道のり÷時間=速さ

時速を聞かれているので、
秒速から時速になおす。←答えを10としないこと。たまに見かけるひっかけ問題です。
 
 10×3.6=36 ←10×60×60÷1000をまとめたもの。時速を秒速になおすときは3.6で割ればいい。


答え 時速36km