算数の文章題のあれこれ

基本的な算数の考え方を紹介しています。 中学受験だけでなく、公務員試験やSPI対策などにも役に立つ内容です。

算数

速さと時間の比

道のりが等しいとき
 速さの比=時間の比の逆比
(時間の比=速さの比の逆比)
という関係が成り立つ。


【問】
家から駅までをA君は時速4kmでB君は時速6kmで走るとき、
駅までにかかる時間の比を求めよ。


【解】
速さの比は
 A:B=4:6=2:3

時間の比は速さの比の逆比なので
A:B=1/2:1/3=3:2













 

食塩水を混ぜる問題

【問】
5%の食塩水200gと10%の食塩水300gを混ぜると
何%の食塩水になりますか。

【解】
濃さ=塩の量÷食塩水の量 なので、
混ぜた後の食塩水の量は
 200+300=500g

次に5%と10%の食塩水に含まれる塩の量をそれぞれ求めと
 200×0.05=10g
 300×0.1=30g   ←塩の量=濃さ×食塩水の量 

 
これより混ぜた後の塩の量は
 10+30=40g

よって混ぜた後の濃さは
 40÷500=0.08=8%

公式だけを使った解法を紹介しましたが、
面積図やてんびん図(算)などを用いると
視覚的に簡単に解くことができます。










両端をのぞく植木算

【問題】
50m離れた2本の電柱の間に5mおきに
木を植えようと思います。
このとき木はは何本必要ですか。


【解答】
間の数は
50÷5=10 (個)

両端は電柱なので、(両端をのぞいて考えるので)
木の本数は間の数より1少なくなります。
よって
10-1=9本

★両端をのぞいて木を植えるとき★
 間の数=木の本数+1







ダイヤグラムで解く出会いの問題

【問】
兄は13:00に家を出て12:20分に公園につきました。
弟は13:00に公園を出て12:30分に家につきました。
その途中、家から300mのところで2人は出会いました。
家から公園までの距離を求めなさい。


【解】
はじめに問題文をダイヤグラムであらわします。

text3780-1

次にダイヤグラムのなかの相似な図形に着目します。

rect3830

青い三角形と黄色い三角形は相似で
相似比は3:2となります。 ←30分:20分

よって道のりの比(縦軸)も3:2となるので
家から公園までの道のりは
 300÷3×5=500(m)

発時刻が違う場合でも
ダイヤグラムにするとイメージしやすくなります。

*出発時刻が異なる場合のダイヤグラムの例

text3780-2

出発時間が異なる場合は、
その分だけ右にずらして書きます。






面積図で解く【平均算】


【問】
算数のテストを何回か受け、その平均点が70点でした。
今回のテストで94点取ったので
全体の平均点が74点になりました。
テストは全部で何回ありましたか。


【解】
平均の問題は、合計を求めて考えるのが
基本的な解法です。

平均点×回数=合計点より
平均の問題の面積図は、次のようになります。

text3158

問題文を面積図であらわすと

text3297

ここで、黄色い長方形と青い長方形は
面積が等しくなります。

青い長方形の面積は
 (94-74)×1=20

これより黄色い長方形の横の長さは
 20÷(74-70)=5  ←上の図の□の部分。

よって受けたテストの回数は
 5+1=6(回)  ←最後に受けた1回の足し忘れに注意。






歩数と歩幅の問題

【問】
A君が4歩で歩く道のりをB君は5歩で歩きます。
また、A君が4歩あるく間にB君は3歩歩きます。

①A君とB君の歩く速さの比を求めなさい。
②B君が90歩先に進んでから、A君が追いかけるとき
    B君に追いつくまでのA君の歩数を求めなさい。  


【解】

まず歩幅の比を求めます。

A君が4歩で歩く道のりとB君が5歩で歩く道のりを1とすると 
歩幅の比は、道のり÷歩数で求められるので
A:B=1/4:1/5=5:4  ←歩数の逆比になる
 
同じ時間内で2人が進む道のりは
A君が4歩あるき、B君が3歩あるくことより
  A:B=5×4:4×3   ←歩幅×歩数
     =5:3
道のり比と速さの比は等しいので、
速さの比は5:3となる。 



A君とB君の歩数の比が4:3ということが分かっているので
A君に追いつかれるまでにB君があるく歩数を求め、
そこから比を使ってA君の歩数を求めます。

速さの比が5:3なので、追いつくまで    
A君が⑤進み、B君は(90歩+③)進むと考えます。 ←速さの比=道のりの比

これより、A君が追いかけ始めてからB君の歩いた歩数は
  90÷(⑤-③)×3=135歩  ←⑤-③=②が90歩にあたるので、①は90÷2。
                       A君が追いかけ始めてからB君は③歩いたので、90÷2×3となる。 

B君が3歩あるく間にA君は4歩あるくので
A君があるく歩数は
  135÷3×4=180(歩) 

(別解)
B君が90歩先に進んでいるということは
歩幅の比が5:4より、B君とA君の道のりの差は
 90×4=360
  
速さの比は道のりの比と等しいので
Bに追いつくまで
A君は5、Bは3進んだことになる。   

これより、A君がB君に追いつくまでに進んだ道のりは
 360÷(5-3)×5=900

よってA君の歩数は
 900÷5=180    ←歩数=道のり÷歩幅







 

概数【商の範囲】

【問】
ある整数を3でわり、小数第一位で四捨五入すると商は4になります。
このときこの整数はいくつ以上いくつ以下になりますか。

【解】
小数第一位を四捨五入して4になるということは
商の範囲は
 3.5以上4.5未満ということになります。

これより求める整数は
 3.5×3=10.5
 4.5×3=13.5

10.5以上13.5未満ということになります。

よって求めたい範囲は整数なので
 11以上13以下





 

規則性の問題【差が数列】

【問】
あるきまりにしたがって、下のように数をならべました。

 1, 2, 4, 7, 11, 16・・・

このとき、10番目の数はいくつですか。


【解】
まずは規則性を見つけます。
ならんでいる数の差を見ると、
差も数列になっていることに気がつきます。

このような問題は、
差の数列の和を、1番目の数に加えると
求めたい番目の数が求められます。

2番目の数=1 + 1=2   ←差の数列の1番目の数を足す
3番目の数=1 + (1+2)=4   ←差の数列の2番目までの和を足す
4番目の数=1 + (1+2+3)=7  ←差の数列の3番目までの和を足す 
5番目の数=1 + (1+2+3+4)=11 ←差の数列の4番目までの和を足す



10番目の数=1 + (1+2+3+・・・+9)=46


もとの数列の番目に対して
差の数列の番目が1つ少なくなることがポイントです。
ちなみにこの数列は、階差数列とよばれ
高校数学で取り扱われます。





 

濃度とは

濃度とは、
『水の中に溶けている物質の割合』
のことです。

食塩水の濃度であれば、
水の中にどれだけ塩が入っているかを
表していることになります。

例えば
3%の食塩水が100gあるということは、
100gのうちの3%が塩で、
残りの97%が水ということを表しています。

だから塩の量は
100gの0.03倍ということになり、  ←割合の計算
100g×0.03=3g

時速、分速、秒速とは

時速=1時間に進む距離
 ⇒時速20km=1時間に20km進む
 ⇒時間速20m=1時間に20m進む ←だいぶ遅い

分速=1分間に進む距離
 ⇒分速60m=1分間に60m進む
 ⇒分速60km=1分間に60km進む ←かなり速い

秒速=1秒間に進む距離
 ⇒秒速15m=1秒間に15m進む
 ⇒秒速15km=1秒間に15km進む ←とてつもなく速い
  
*一般的に時速のときはkm、
分速、秒速のときはmを用います。