算数の文章題のあれこれ

基本的な算数の考え方を紹介しています。 中学受験だけでなく、公務員試験やSPI対策などにも役に立つ内容です。

速さ

速さと時間の比

道のりが等しいとき
 速さの比=時間の比の逆比
(時間の比=速さの比の逆比)
という関係が成り立つ。


【問】
家から駅までをA君は時速4kmでB君は時速6kmで走るとき、
駅までにかかる時間の比を求めよ。


【解】
速さの比は
 A:B=4:6=2:3

時間の比は速さの比の逆比なので
A:B=1/2:1/3=3:2













 

ダイヤグラムで解く出会いの問題

【問】
兄は13:00に家を出て12:20分に公園につきました。
弟は13:00に公園を出て12:30分に家につきました。
その途中、家から300mのところで2人は出会いました。
家から公園までの距離を求めなさい。


【解】
はじめに問題文をダイヤグラムであらわします。

text3780-1

次にダイヤグラムのなかの相似な図形に着目します。

rect3830

青い三角形と黄色い三角形は相似で
相似比は3:2となります。 ←30分:20分

よって道のりの比(縦軸)も3:2となるので
家から公園までの道のりは
 300÷3×5=500(m)

発時刻が違う場合でも
ダイヤグラムにするとイメージしやすくなります。

*出発時刻が異なる場合のダイヤグラムの例

text3780-2

出発時間が異なる場合は、
その分だけ右にずらして書きます。






歩数と歩幅の問題

【問】
A君が4歩で歩く道のりをB君は5歩で歩きます。
また、A君が4歩あるく間にB君は3歩歩きます。

①A君とB君の歩く速さの比を求めなさい。
②B君が90歩先に進んでから、A君が追いかけるとき
    B君に追いつくまでのA君の歩数を求めなさい。  


【解】

まず歩幅の比を求めます。

A君が4歩で歩く道のりとB君が5歩で歩く道のりを1とすると 
歩幅の比は、道のり÷歩数で求められるので
A:B=1/4:1/5=5:4  ←歩数の逆比になる
 
同じ時間内で2人が進む道のりは
A君が4歩あるき、B君が3歩あるくことより
  A:B=5×4:4×3   ←歩幅×歩数
     =5:3
道のり比と速さの比は等しいので、
速さの比は5:3となる。 



A君とB君の歩数の比が4:3ということが分かっているので
A君に追いつかれるまでにB君があるく歩数を求め、
そこから比を使ってA君の歩数を求めます。

速さの比が5:3なので、追いつくまで    
A君が⑤進み、B君は(90歩+③)進むと考えます。 ←速さの比=道のりの比

これより、A君が追いかけ始めてからB君の歩いた歩数は
  90÷(⑤-③)×3=135歩  ←⑤-③=②が90歩にあたるので、①は90÷2。
                       A君が追いかけ始めてからB君は③歩いたので、90÷2×3となる。 

B君が3歩あるく間にA君は4歩あるくので
A君があるく歩数は
  135÷3×4=180(歩) 

(別解)
B君が90歩先に進んでいるということは
歩幅の比が5:4より、B君とA君の道のりの差は
 90×4=360
  
速さの比は道のりの比と等しいので
Bに追いつくまで
A君は5、Bは3進んだことになる。   

これより、A君がB君に追いつくまでに進んだ道のりは
 360÷(5-3)×5=900

よってA君の歩数は
 900÷5=180    ←歩数=道のり÷歩幅







 

時速、分速、秒速とは

時速=1時間に進む距離
 ⇒時速20km=1時間に20km進む
 ⇒時間速20m=1時間に20m進む ←だいぶ遅い

分速=1分間に進む距離
 ⇒分速60m=1分間に60m進む
 ⇒分速60km=1分間に60km進む ←かなり速い

秒速=1秒間に進む距離
 ⇒秒速15m=1秒間に15m進む
 ⇒秒速15km=1秒間に15km進む ←とてつもなく速い
  
*一般的に時速のときはkm、
分速、秒速のときはmを用います。






時計の遅れの問題

【問】
1時間に4分進む時計があります。午前8時に
この時計をあわせました。

①この時計は午前11時には、何時何分を指していますか。
②この時計が午後2時40分を指しているとき、
 正しい時刻は何時何分ですか

【解】

このような時計の問題は
まずは正しい時計とこの時計の速さの比を求めます。

正しい時計は1時間に60分進み
この時計は1時間に64分進むので
 60:64=15:16

午前8時から午前11時までの180分で
この時計がどれだけ進むかを求めればいいので
 180×16/15=192分  ←15:16=180分:□
        =3時間12分

よってこの時計が指している時間は
 午前11時12分


午前8時から午後2時40分までで
この時計は400分進んでいるので
その間に正しい時計が進んだのは
 400×15/16=375分     ←15:16=□:400
        =6時間15分

よって正しい時計が指している時間は
 午後14時15分






電車の出会いとすれちがい【旅人算】

【問】
ある電車が20分ごとに同じ速さで走っています。
このとき次の問いに答えなさい。

①電車の速さの1/3倍の速さで
 電車と反対の方向から走ってくる車と
 この電車は何分ごとに出会いますか。

②この電車と同じ方向に進んでいる自転車が
 25分ごとに電車に追い越されます。
 このときの電車と自転車の速さの比を求めなさい。

【解】

速さが1/3ということより
電車と車の速さの比は
 電車:車=3:1
 
電車と電車の間の距離は
 3×20=60 
  
よって、車が電車と出会う時間は
 60÷(1+3)=15分         ←出会いの旅人算


25分ごとに抜かれるということより、
電車は20分ごとに走っているので
自転車が25分で走る距離を
電車は5分で走ることになります。  ←25-20=5

よって時間の比は
 電車:自転車=5:25=1:5







これより速さの比は
 電車:自転車=5:1 ←時間の比の逆比

スタート地点をずらす問題

【問】
100mをボルト君は9秒58で走り
太郎君は16秒で走ります。
太郎君がボルト君より先にゴールするためには
スタート地点の何m前でスタートすればよいでしょうか。

【解】
太郎君の速さは
 100÷16=6.25

ボルト君は100mを9秒58で走るので、
9秒58の間で太郎君が走る距離は
 6.25×598/60=62.29166…   ←9秒58を秒に直して
        ≒62.29(m)

 100-62.29=37.71≒38

よって太郎君はスタート地点の
38m前からスタートすればよい。

相手の走る時間に対して
自分がどれだけ進むかを求め
その差分がスタート地点の差となります。

同時にゴールするために
ボルト君のスタート位置を下げるという問題のときは
太郎君の走る時間に対する
ボルト君の進む距離を求め
その差の分だけ後ろに下げればよいことになります。






周回【スタート地点で出会う】

【問】
A君とB君が池の周りを1周するのに
A君は24分、B君は36分かかります。
2人が同時に反対方向に向かって走り出しました。
2人がスタート地点で初めて出会うまで
それぞれ何周しますか。

【解】
出発地点で再び出会うという問題では
最小公倍数を考えます。

1周するのに
A君が24分、B君が36分かかるので
24と36の小公倍数が初めて出会う時間となります

24と36の最小公倍数は72なので
72分後に二人は出発点で出会います。
A君とB君の周回は
 72÷24=3(周)
 72÷36=2(周)

速さ【周回】

【問】
池の周りを兄と弟が同じ場所から同時に出発し周回します。
反対方向に進むと12分ごとに出会い、
同じ方向に進むと60分ごとに兄が弟を追い越します。

①兄と弟の速さの比を求めなさい。
②兄がこの池を1周するのに何分かかりますか。
③2人がスタート地点で再び出会うのは、兄が何周したときですか。

【解】

出会う時間と追い越す時間から  
速さの和と速さの差の比を求めます。  
*出会う道のり=速さの和×時間  追いつく道のり=速さの差×時間 

全体の道のりを1とすると
 速さの和:速さの差=1/12:1/60=5:1   
これより
 (5+1)÷2=3 ←和差算の利用
  5-3=2
よって
 兄の速さ:弟の速さ=3:2    


池の周りの距離は
 12×5=60 ←出会う時間×速さの和
よって
 60÷3=20(分)


弟が1周するのにかかる時間は
 60÷2=30(分)

スタート地点で2人が出会う時間は
30分と20分の最小公倍数なので
60分後に出会うことになる。

よって
 60÷30=3(周目)

歩数と歩幅【基本問題】

【問】
家から駅までは2100m離れています。
兄が家から駅に向かって、弟が駅から家に向かって
同時に出発しました。
兄が3歩であるく距離を弟は5歩で歩きます。
また、兄が4歩歩く間に弟は5歩歩きます。
兄の歩幅は80cmのとき、次の問いに答えなさい。

①弟の歩幅は何cmですか
②兄と弟の歩く速さの比を求めなさい。
③兄と弟が出会うのは、兄が家をでてから何歩目のところですか。

【解】

兄が3歩で歩く距離を弟は5歩で歩くので
歩幅の比は
 兄:弟=1/3:1/5=5:3   ←歩幅の比=歩数の比の逆比
兄の歩幅が80cmなので、弟の歩幅は
 80÷5×3=48(cm)


速さの比=道のりの比なので
兄と弟の進む距離の比を求めればよい。
 兄:弟=5×4:3×5=4:3  ←進む距離=歩幅×歩数 


兄が弟と出会うのは
 2100÷(4+3)×4=1200(m) ←②より距離の比=4;3を利用
のところなので
 120000÷80=1500(歩)  ←1200m=120000cm